ガンダム時空の宇宙空間にお化けは存在するのか?

Zガンダム43話、シンタのセリフ。暗い自習室にいるところを揶揄され(?)

『宇宙にお化けがいるわけないじゃんか!』

と返すシーン。言われてみれば確かになぁ、となるセリフだ。けど少し違和感もある。

 

ガンダム時空ではない現在世界、宇宙技術がそこまで発達していない世界の僕からすると、宇宙空間には宇宙人こそいそうだが、お化けやユーレイ的なものは存在しないように思える。実際、お化けやユーレイ的なものの存在は人々の口伝や記述によって伝えられ広く人口に膾炙してきたものであり、現在時点で宇宙へ行った人類はほとんどおらず、また長期間生活はできないため、そのような伝承が作られるような下地はないと考えられる。よって現実世界の僕にとってこの発言は納得いくものである。

 

〇対してガンダム時空では、人々は地球を出て、宇宙空間のコロニーで暮らしている。公式によれば、移民が始まって半世紀以上経ってジオンが独立戦争を挑んできた、とあり(機動戦士ガンダム|作品紹介|サンライズ)、50年という期間とコロニーを営めるほどの人口があれば、お化けユーレイといったいわゆる都市伝説の一つや二つは生まれてもおかしくない。

 

〇つまりそういうわけで、ガンダム時空の宇宙空間にお化けはいてもおかしくないはずなのだ。するとシンタの発言はどういうことなのだろう。まあ10歳程度のガキンチョのことなので強がって適当扱いた可能性はあるが、脚本家は大人な以上、そこには何かしらの意味があるとみていいだろう。メタ的視点というやつである。

 

〇さらにもうひとつ、『宇宙に』という発言から、宇宙ではない場所、つまり地球ではお化けがいる(ということを認識している)ということが窺える。地球にいて、宇宙にはいない(と、考えている)理由は何だろう。

 

〇1つ思い浮かぶのは、やはり空気の有無だろうか。宇宙には空気が無いから、お化けも存在できないんだよ、と親かそれに準じる何者かが諭したのだろうか。案外、子供ならではのお化けを否定したい克己心と、空気が無いという事実を紐づけ、自分で論理を組み立てたのかもしれない。そういうのってガンダム世界観の”文化”を知れたような気になって面白いですね。

 

〇結局子供の思い付きなんじゃね?みたいな軽い結論で終わってしまったがしかし、重厚な世界観で知られる富野由悠季監督作品ゆえにちゃんとした理由がどこかに存在するのかもしれない。まあ現状はお化けなんかよりも全然トンデモパワーなニュータイプとかいう輩がのさばってるわけですが。。。