【台湾環島day2】これなるは勇気の物語【台北~埔里】

2024/2/29

・起きる。ややのしんどさ。人の多さと街のにぎやかさにやられた。早く郊外へ逃げたい。

レンタルバイク屋へ。店員と話すうちに幾分か気持ちが盛り返してくる。高揚感と、日本と同じバイク屋の香りで体調が整ってきたのか。

 

・事前に決めていたアクシズZは整備してなかったらしく、代わりにKIMCOが提案された。本来700NT/dayだけどアクシズと同じ600にしてくれると。

GP125。125のスクーターなんかどれも同じでしょ、と思い快諾。スマホホルダーをつけてもらい、USB電源は+100と言われたので無し。モバイルバッテリー2つあるしまあ……の構え(実際余裕だった。でも音楽用とナビ用でスマホ2つ持って行っていたので、1つならワンチャン……?)

 

・店員から説明を受ける。右側通行、二段階左折、オービスなどなど。

あとヘルメットは持ってきて正解。貸出はカスみたいなのしかない。

 

・支払う段階で現金が足りないことに気づき銀行へ走るなどした後、出発。先払いで、結局1日早く返却したんだけど返金はなかったのでご利用は計画的に。キャッシュオンリーです。

右側通行に違和感を覚えながら取りあえず1kmほど走る。ミラーマウントのせいかスマホに伝わる震動がすごく、手振れ補正に危機感を覚える。それ以外は至って好調で、日本の原付に毛が生えた程度かと思っていたら加速が非常に素早く、おまけに軽いので、0-60ならSVよりも早いんじゃないだろうか。知らんバイクの乗り始めはいつも楽しい。

・そしてやはりバイクはいい。ウバで鍛えたすり抜け力を活かし走る台北の町中なんてのは、もはやアトラクションみたいなもの。専用の通行レーンも二輪四輪お互いにとってメリットしかない。大阪の街中よりよっぽど走りやすいと思われる。

 

・ふんふん走ってたら、野犬に追いかけられた。怖すぎる。誰だよ東京と同じくらいの発展度合いって言った奴。ちょうど市街地を抜けて海へ続く山道に差し掛かろうか、というタイミングで道を間違え、私有地的なところに入ってしまった。Uターンして戻ろうと思ったら、後ろから超吠えながら走ってくる野犬。しかも3匹。本当に生きた心地がしなかった。幸いこちらにはエンジンがあったから事なきを得たけど、自転車だったらどうするんだろう。

私有地なら番犬じゃないの、というのも確かにあるが、実際このあとも通算3回はマジの野犬に吠えられ、追い回されている。嫌な海外あるあるに捕まってしまった。

 

・命からがら海岸線にたどり着き、南下する。この100kmは失敗だった。

最初の方こそ海が見える気持ちの良い道だったが、途中から高速の高架下を走るようになり、海は見えず道は単純、そのくせ信号は多い最悪の道だった。



・さらにさらに不快なことに、台湾にはオービスが多すぎる!!!!!

これね

引用:http://higashi2005.dreamlog.jp/archives/52193589.html

 

・これが冗談抜きで無限にある。体感値として2kmに1つはある。しかも結構シビアで、±11kmから光るらしく速度管理にかなり気を遣う。地元民の走りを見るに結構フェイクもありそうで、それもムカつく。主要道路だけでなくかなり隅々まで張り巡らされていて、山あいの対向車線もないような道路で30制限で撮ってるのを見たときはもはや笑っちゃった。

 

村上春樹はランニング中空白を獲得してる、って言ってたけど、バイクも実際なにか考えてるわけではない、気がする。少なくとも自分の場合は音楽をガンガンにかけているので、綺麗だなぁ、ここ右折ね、うおあぶねっ、ぐらいの浅いことしか考えられない。

 

・そして風景をじっくり見れるわけでもない。大前提よそ見してたら危ないし、スピードがあるので背景でしかなくなってしまう。ランニングと違って自分を痛めつけているわけでもないから、ぼーっと走っていると景色も考え事もすべて後ろに流れていってしまう。そう思うと、ランニングはなんか、周囲を大事にできているような気がして羨ましくなる。

 

・そんなこんなで精神的にも疲れたので、新竹まで走ってコンビニ休憩。よくわからんチキンのホットスナックを食べる。

 

・コンビニで見かけたバイク。

ドカとトラ。このあとも走ってて思うのは、結構二極化してるなあ、ということ。基本スクーターで、たまに大型欧州車。レブルやニンジャやYZFなんかの日本のファーストバイク系はほとんど見かけなかった。たまにYZFのR15がいるから、そもそも企業戦略から違うのかもしれんな。

 

・そんで台湾ライダー、めっちゃ速い。新竹から海沿いを離れて山道に入ったんだけど、これがもう素晴らしいワインディングで、身近にこんな道あったら上手なるわな、という納得がある。箕面の滝までの道がずっと続くと思ってくれていい。

あらぎ島みたい

箕面をコソコソ走るぐらいなら金貯めて台湾来た方が良いと思うよ。オービスだけはマジでダルいけど。

 

斜面にヤシの木っぽいのがずらっと生えてて面白い


・コンビニで休憩を入れつつ走って、埔里(プーリー)に到着。

フロントの人がめちゃ親切で、周辺の飯屋から明日の行くべきスポットまで色々教えてくれた。ホーネット900とまた古いバイクに乗ってるらしい。

共用スペースも居心地いい


・ちょっと行ったところにあるセブンイレブン周辺の店はどこも美味しいよ、とのことだったので夜市を無視して見て回る。疲れてたしチェーンかコンビニで分かり切ったもの食いたい気持ちはあったけど、ぐっと堪えて地元のお店へ。

異国で牡蠣オムレツを食うという”勇気”。牡蠣がたくさん入っていて、ちょっと甘いソースがかかっている。正露丸なんて持ってきてないから当たったら完全に詰むけど、こういうのに挑戦してこその旅だよな、と奮起。牡蠣はそんなに得意じゃないんだけど、勇気パワーもあってとても美味しく食べられた。65NT

・結構大きめのオムレツだったけど、まだ腹に余力があったのでもう一軒行ってみる。

你我他晩点。例によって店の前でウロウロしていると、日本語で話しかけてくれた店員さんがいた。うちの臭豆腐は臭くないのよ~、とのことだったので臭豆腐と焼きそばみたいなのを注文。実際あの発酵臭は全くなく、そのかわり山のようにニンニクが盛られていた。臭ってそういう……

 

・言っても揚げ豆腐、3つはかなり苦しい。焼きそばみたいなやつは満腹のせいで100では味わえなかったけど、それでも美味しかった。

 

・そして結局、お腹はやや壊しました。牡蠣だともっとえげつないだろうし、多分多量のニンニクでしょう。蛮勇じゃなくてよかった……

覚悟はした。

 

・フロントのおじさんに南部は現金大事だよ、と言われたので残金を確認する。1500NT。ほぼ7000円、やや心許ない。レンタルバイクがオンリーキャッシュなの痛かったな、まあキャッシング?っていうのがあるから余裕っしょ、と思い調べると、なんと手持ちのクレジットは全滅。今申し込みしても2週間かかるんじゃ意味ないんだよな。心拍数が上がり始める。これひょっとするとひょっとするか?一応緊急用の日本円10000はあるけど1週間は保たないぞこれ。あ、でも海外でもセブンのATMあるから引き出しはできんじゃん。なーんだ。

 

・海外行くからボロ財布にして、要らなそうなカード全部置いてきたんだった。クレジットは4枚もあるのにキャッシュ0。万事休すか。国際送金かアメリカの銀行の口座開設するしかないってこれマジ?

・と思ったら。作って良かったOlive。キャッシュ・デビット・クレジット一体型のカードのおかげで危機を回避しました。あせったー。ちょうど1ヶ月程前に友人といっしょに申し込んだやつがここで効いてくるとは。ありがとう友人。君には臭豆腐をお土産に……

 

・ちなみにこのMVP友人、ちょうどマルタに語学留学中で、俺が台湾で牡蠣食ったのに触発されてマルタの牡蠣を食ったそうです。そしたら上から下から大洪水なんだとか。ムチャシヤガッテ

 

・あ、卒業が確定しました。深夜2時まで大学のサーバーと戦い続け、真っ赤な目で確認しました。絶対許さねぇ……

230km