【台湾環島day3】ありのままで戦っていくこと【埔里~台南】

2024/3/1

・起きる。昨日に比べて朝のテンション上がりが違う。当たり前ではあるけど、やっぱり衣食住は重要だな~。何回旅行してもこれに新鮮に気付ける己の単純さにのびしろを感じる。


・フロントのお兄さんに教えてもらったオススメ観光地をなぞっていく。まずは台湾三大観光地の一つ、日月潭



 

・きれいですね~

 

・四国のカルデラしかり、亀岡の雲海しかり、俺×バイク×高地の相性はかなり悪い。早朝なのもあるけど、基本悪天候で一面の霧がおなじみになってきた。まあ晴れてても写真撮るだけやし流してこ!

 

・霧による衣服の濡れがシャレならんので、コンビニ休憩のついでにカッパを着る。レンタルバイクのおじさんが厚意でポンチョを貸してくれたので、日本からわざわざ持ってくる必要はなかった。スクーターだから上下セパレート型じゃなくても十分。高地ゆえの寒さで、極暖とウルトラライトダウンも着る。

 

・雨と霧に耐えながら21号線をひた走り、阿里山へ向かう。道中で台湾最高峰3952m、玉山を見渡せる地点へ。

真珠湾攻撃の暗号、ニイタカヤマノボレ一二〇八、のニイタカヤマ。日本統治下においては日本一の高さだったことをうまく弄れば、弱めのうんちくエウレーカクイズとして戦えそうではある。

・このあたりから阿里山に向けてとんでもないワインディングが続く。

ことワインディングに関しては軽さが大正義なことを実感する。ほんとにヒラヒラ寝ていくし、タイトなカーブも簡単に抜けていく。立ち上がりのパワーと、二―グリップできない不安感さえなければ、そう思うと最適解はやはりモタードなのか。


・どんどん標高も上がっていき、霧の中を走っているかと思ったらあんまり濡れず、実は雲だったことに気づく。やがて雲間を抜け、視界が開ける。

こんなところまで登ってきたのか。道を拓いた先人が偉大過ぎる。雲上のワインディングを走る機会なんて日本じゃそうそうない。ここまで目を三角にして走ってきたが、角を落とし、景色を眺めながらゆったり流す。右側通行だから、すぐそばに崖があってちょっと怖い。

 

・気持ちに余裕ができ、ふとメーターを見るとガソリン残量があと1メモリ。阿里山にガソスタがあることは調べていたが、果たして保つのか不安になる。

まあ普通に間に合った。ついでにコーヒーも買ってしっかり休憩する。どうも航続距離が短い気がして調べると、燃費がリッター30ちょい、タンク4.5Lで150ギリ走らない計算になる。シティコミューターにしても少ない。どうりで1日2,3回も給油するわけだ。


・休憩終えて、今度はひたすら下る。台湾西側に通じる道なので、交通量が多い。

こんな道を下る

対向車線を10台に1台くらいの割合で観光バスが、グニャグニャの道路を登ってくる。凄いスキルだ。そして在野の台湾人の運転も、かなり野性味がある。遅い車や観光バスがいればビタビタに詰め、見通しが良くなくてもガンガン抜いていく。行楽地特有の大車列があまり見られないという点では、いくらか健全なのかもしれない。

 

・お腹が空いたのでコンビニで飯休憩。

阿Q正伝ってカスの話なのにカップラーメンでもじるんだ、と思ったけど、味がカスだったから納得です。

 

・今日の主要目的地の一つ、関子嶺温泉。

こじんまりとした温泉街。世界三大泥温泉のひとつで、霧島とシチリア島とここしかないとか。言い出したもん勝ちな気もするけど。

その中でも日帰り入浴ができる関子嶺温泉ホテルへ。

 

・大浴場ではなく、それぞれの部屋の風呂に入る感じ。

奥が浴槽。ややHな雰囲気を感じるのは私だけ?


・台湾、ユニットバスなんだけどあまりにも境界線がなさすぎる。

ここはシャワーなかったけど、あるところは湯船の上でなく便座と床を共有する形で使うので、衛生観念的になんだかなぁ、とは少し思う。

 

・自分でお湯を貯めるスタイル。

やや泥。ガソリンっぽい匂いもする。手を入れてみたらすぐ感じられるほどヌルヌル指数は高い。前述の通りシャワーがないので頭をつけるか躊躇ったが、シャンプーもあったしせっかくなのでトライ。泥と言えど砂が残る感じもなく、久しぶりの湯船は気持ちよかった。

 

・建物は増築に増築を重ねたのか、奥に進むと迷路のような構造になっている。食堂らしき場所もあった。

 

・増築に増築を重ねたパッチワークみたいな家特有の良さがある。日本だと古い大病院とかでたまに見かける。歴史を感じる、迷路みたいで面白い、というのもあるけど、一番は必要故に複雑になっていく、というところだろうか。俺の部屋のように漫然と何もしていない結果雑然となっていくのではなく、折々に必要に駆られて部屋を増やし廊下を繋げ、階段を設置して空間を広げる。コスト、費用、事業継続性などから建て替えるわけではなく、過去に今を付け足して未来にしていく。建物が生きている感じがしてとっても良いし、そこに住む住人はその建物を使いこなしているわけで、熟練職人の七つ道具的な機能美も感じられる。

 

・↑書いてて思ったけど、ややエモ消費してるかもしれない。学校の宿題で感想文を書くような、わざと良さを感じにいっているというか。自分のために書いてる文章で誇張する必要はない。ありのままで戦っていきたい。せめて自覚はするんだ。

 

・山を下りて市街地を突っ切り、海へ。


やってきたのは台湾最西端。

風がありえないくらい強い。しっかり砂紋ができている。荒れた海に乾いた大地、曇天に加えて自然に帰りつつあるトラクターもいて、やや世紀末っぽくもある。


・最後はちょろっと走って台南の宿にチェックイン。洗濯してる間に飯を探す。

アジアンテイストばっかり食ったあとのハンバーガー最高すぎる……。店員さんも良い人でサービスも良いし、食事体験としてよかった。

 

・宿に戻って休憩なり色々したあと、21時ごろに再び町へ繰り出す。神農街という映えスポットがあったので、散歩する。

時間が遅いのもあったか店は閉まりかけが多かったけど、普通にオシャレな通り。

 

・台南の街は、日本式居酒屋みたいな場所も多く、それでいて台北ほど観光客は多くないから過ごしやすいと思う。にしても地元民の気配もあまり感じない。昼間人口が多いのか、朝は外食でも夜は家族そろって飯を食うのか。

 

・屋台的なところでチキンを買い、ファミマで買った台湾オリジナルビールを飲みながら歩く。第四の都市だからやはり人は少ないのか。でも人口は188万人いるらしい。多くない?でも札幌と同規模、と言われたら納得感はある。スーツ姿のサラリーマンとかはどこにいるんだろう。不思議だなぁ、なんて思いながら歩いてたら、前方から救急車がサイレンと共に去っていった。そのあたりを見ると、血のついたサンダルと包帯、血痕が路上に散らばっていた。やることはやってるらしい。

・291km。結局この日が最長になる。