軽快ブログ

「夏が来るね」そう言って君は

【台湾環島day7】九份でおすすめの穴場カフェを紹介します【宜蘭~基隆】

2024/3/5

・暑い!!!!!

さすがに極暖もULDも着てられない。

 

・9時までたっぷり寝て出発。行きがけにサンドイッチ売ってる屋台を見つけ、いったん素通りしたけど美味しそうだったので引き返す。ハム系を1つと、紅茶を買った。

 

・さすがに天気が良すぎる。

日本みたいな田園風景に、近すぎも遠すぎもしない山並み、専用レーンゆえに気兼ねなく走れる道路。自然と速度も落ち、ゆったりとした気分になる。日程に余裕があるのもある。

 

・昨日の80kmワインディングがバイクの”動”の面白さだとしたら、今日は確実に”静”だな。普段乗るときは動を求めがちだけど、何日も連続で動で乗ってると静が欲しくなり、その優しさ穏やかさに癒される。普段の週末でも味わいたいけど、乗れる絶対時間が少ない分、そのゾーンには入りづらい。

 

・海沿いを走っていたら、散策できそうな遊歩道を見つけたので立ち寄る。

あ~。なんかめっちゃ良い気分になってきた。

 

・ランニングするおじさんや子どもを遊ばせる家族連れがいて、ぽかぽかの陽気。

そんな中で朝飯を食べる。サンドイッチもう2個買ってよかったな。甘くてぬるい紅茶も美味しい。昨日までの焦りとか落胆とか、なんか上手くいかないとか思い通りにならないこととか、どうにも忙しなかった気持ちとかが全部収まっていくのを感じる。リフレッシュ大事。

 


・台湾最東端へ。漁港にバイクを停めて、グーグルマップに登録されてる最東点の方向へ歩いて向かう。

スリル満点すぎるけど。本当にこの道であってるのか?

 

・最東点を目視。

遥か彼方に釣りしてるおじさんが見える。あのあたりまで行ってみるか。

 

波打ち際を慎重に歩き、デカい岩を越えていく。

冒険感あってナイス。整備されてなくてやや危険なところに行けちゃうあたり、ここは日本じゃないんだなぁ、と思う。手厚く保護されてるわけじゃなく、危ない所に勝手に行ったんだから自己責任でしょ、と突き放される感じは、一般的に思い描く海外の緩さを実感させる。

 

・実験場みたいな風景が広がる。

先達のコメントでは、魚の生け簀と紹介されていた。確かにぽいけど、収穫しにくくないだろうか。あんまり管理されてる雰囲気もなく、すでに放棄された場所なのかも。

水はめちゃくちゃ綺麗。


・先端まで歩く。

さすがにスニーカーでこの先は行けないな。最東端到達です。語学力とコミュ力があれば、釣りおじさんに色々話とか聞きたかった。

・モニュメント的なものはなかったので、振り向いた山にある灯台へ行ってみる。

中央付近に小さく見えるのが灯台

 

特にモニュメント的なのはなかった。写真だけ取って退散。

 

 

・十份へ向かってみるけど、わざわざバイクで立ち寄ることもないなと思い素通り。先人のブログで紹介されていた猴硐猫村へ。

か~わいいね~

猫がいっぱいいる町でした。それ以上でも以下でもない。

 

九份へ。ひとつくらいはメジャーな観光地行っとかなきゃか。

人が多すぎるよ~。落ち着けるカフェを探して歩いていたら端っこに着いてしまい、どうしたもんかな、と思っていたらちょうどいい喫茶店を発見。

入ってすぐ、おじいさんがテレビ見ながらじっと座っている。地元民も来るのだろうか、期待が高まる。

 

・店員さんがバルコニーの階段を指差す。言われた通り下ってみると、テラス席が。

そこそこな高さで下に道路が走っている。曇ってて見えづらいが、遠くに海も見える。上の階からかすかに音楽が聞こえてくるのもいい。適度な静かさが保たれている。

イメージは、耳をすませばに出てくるバイオリン工房。

マジでこれだ

耳をすませばで唯一足りなかった海景色すらここにはある。ちょっと良すぎるかも。


・烏龍茶とワッフルを注文した。

写真見返すだけで目じりが熱くなる。マジで最高だったな。自分が漠然と心に描いていた、けれどボヤっとしていた景色が一気に形を伴って現れた嬉しさ。実在するんだ!という喜び。老後、こんな感じの海の見える高台に喫茶店をひっそり開業して、高校生くらいのバイトを1人雇って自分はずっとテラス席でぼーっとしていたい。客が全然来ないからバイトの子に経営の心配をされるんだけど、こっちはもうこの空間を得たことに満足してるからいいのいいの、と流して(へんなの。)とか思われて~んだよな~


・2時間くらい過ごす。ホットの烏龍茶も美味しい。

茶店っていつまで長居していいんだろう、という不安が場の気持ちよさを上回ったあたりで店を出る。

ボロボロのボンネビルが飾ってあった。多分オーナーっぽいおじいさんのなんだろうな。これも萌えポイントです。


・大変満足したので基隆の宿へ。ここはマジのドミトリーという感じ。オーナー夫妻が洗濯乾燥機の使い方から美味い飯屋、Wi-Fiの調子、コーヒーは要るかなど色々声をかけてくれて助かった。

修学旅行っぽい子たちもいた。


・夜市に味をしめたので、今日も繰り出す。基隆廟口夜市は店ごとに番号がついてるのでオススメされやすく、オススメしやすい。

 

定番の餃子と、フライドチキン飯を買ってきた。

焼き餃子は鍋貼、と表記される。確かにそう言われればそうだな。付属のたれは唐辛子たっぷりで、口はヒリヒリになったけどとても美味い。

 

フライドチキン飯。排骨飯、という表記。タレが得意ではなく、好きにはなれなかった。そして台湾飯は基本ボリューム凄いので気をつけて。

・130km。全然走ってない。

 

【台湾環島day6】再現性のある頂点【花蓮~宜蘭】

2024/3/4

・この旅行の目玉目的地、武嶺へ。公道で標高3200mまで行けるなんて、心躍らいでか(江戸っ子

 

花蓮から少し北上した後、太魯閣(たろこ)を経由して上がっていく。片道約80kmに及ぶワインディングに突入。

と思ったらいきなりの通行止め。片側交互通行という文化はないらしく、20分ほど待たされる。先頭にはバイクがどんどん集まって日曜の針テラス状態。ほとんどは観光客で、山歩きをするであろう格好の人が多かった。

 

・周囲と話すでもなく、写真を撮ったりキョロキョロしてみたりとなんとなく過ごす。そのうち、作業員の人が動き出してゲートを動かすそぶりを見せると、みんな自分のバイクの元に戻って出発準備をはじめ、場が騒然とし始める。なんかレース前みたいで緊張するな。周りに合わせるように、ヘルメットをつけてグローブをはめる。

 

・すると隣にいたインド系の夫婦が何か話しかけてきた。上手く聞き取れないのでヘルメットを外し、聞き返す。ジェスチャーと共に知らない言語でしゃべり続けるお父さんと、「そんなん言ってもわかんないって、」みたいな感じで諫めるお母さん(想像)。愛想笑いして場を保たせていると、前方から歓声が上がる。ゲートが解放されたみたいだ。しまった、出遅れた。……bye!と言って強引に会話を打ち切り、ヘルメットもそこそこにスタート。80kmのワインディング、速さを求めずにはいられないのだ。

 

・先頭から遅れること10馬身(機身?)ほど、ひたすら前を追う。のんびり走る欧州人、ビッグスクーターを駆るアジア系の集団を華麗にかわし、先頭集団の後ろにつける。CBR650R(台湾で一番見かけた大型)とホンダのネイキッド。いいコンビだ。排気量はこちらの6倍、馬力は10倍。モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないことを教えてやるッ……!

 

・普通に離され(敗北)唇を嚙んでいると、その2台がハザードを焚いて停まった。コバエみたいに付きまとったから殴られるかも、と覚悟したが普通に写真を撮るみたい。これ幸いと抜き去り、とうとうトップに立つ。左右にそり立つ断崖絶壁はめちゃくちゃ良かったので写真を撮るのが正解なのだが、当時の俺はリードを広げよう、と思って走り去ってしまった。大失敗である。

 

・なーんてね!全部フィクションですよ!

 

・楽しかったのは束の間、本当にずっとワインディングが続く。

標高は20km走ったら500m上がるペースでどんどん上昇。高山病に怯えながらも迫りくるカーブをちぎっては投げ、ちぎっては投げる。必死にペダルを漕ぐ自転車勢もちょくちょくいた。凄すぎる。

 

・ひとしきり登り、山頂までもう少し、というところで再び通行止め。

今度は40分待たされるらしい。こんな山中でやることもないしどうしようかな、と思っていたら後ろから大量のバイク集団が。

 

・大量のGSおじさんだった。

2~30台ほどのツーリンググループらしく、途端に周りを囲まれる。GSGSGSGSたまにK18、GSGSGoldWingGS……台湾の富裕層がこの場に一挙に集まったのか?普通に邪魔だし頭越しにめちゃくちゃ会話するしやや気分悪い。集団で走るおじさんライダーズはどこの国でもダルいな。

 

・普通にムカついたので、通行止め解除後に先頭切って走り出す。しかしコーナーからの立ち上がりで圧倒的差を見せつけられ、全員に抜かされた。こんな奴ら、SVだったら絶対負けねぇのに……。悔しいね

 

・最後数kmの坂がえげつなく、しかも空気が薄いからかフルスロットルでも30km/hしか出ない。それでも何とか走り切り、ついに到着。

標高3275m。人生における最高到達地点……というと縁起が悪いけど。物理的にね。

 

・今この瞬間、日本にいる誰よりも上にいる、というのはやはり気持ちいい。何者にもなれず、人生で成し遂げたことが特になくても、ここに立つだけで”1番”になれる。そういった昏い欲望が、人々を端っこに呼び寄せるのだろう。

 

・例えその頂点が時間作って金払うだけで誰にでも獲得しうるものだとしても、行こうとする意志と実際の行動力によって成し遂げたという事実が、それを確かなものにする。それは救いでもあるし、同時にやはり金と時間と行動力という比較的簡単に用意できるものによって余人に代替可能なものでもある、という傷を残す。

 

・じゃあ何をもってすれば、代替不可能になるのだろうか。金も才能も(任意のなにか)も、基本上には上がいる。自分にできることは、必ず誰かもできる。これは、マジで認めたくないけど、多分そう。だからひとつは、定量的評価ができない分野を攻めることだろう。例えば創作などは、甲乙の評価が人によって異なるからそのへんを曖昧にできる。それもあって、このブログをやってるみたいなところはある。

 

・長々と失礼したので、景色で浄化。

素晴らしいですねぇ~

 

・しかしまあここまでは、観光バスに乗って寝こけてたら誰でも達成可能。己の力をもってしてナンボよな、ということで登山する。

登山道は整備されているけど、やはりキツい。しかしこの苦しみが優越感につながると思って頑張る。

 

・合歓山主峰に到着。

疲れたねぇ。水も軽食もなかったのでかなり辛かった。帰りは適当にショートカットして駐車場に戻る。

 

・宜蘭へ向かう。海沿いに戻る手もあったけど、ダウンヒルあの距離は嫌なので山あいを抜けるルートへ。

ガソスタで見かけた花

・コンビニに寄って遅めの昼食。現地の店で食べるよりちょっと高いし味はあんまだし、そこまで効用が高いわけではない。しかし大きい街がないので妥協する。

 

・宜蘭(イーラン)到着。なんか名前が覚えやすい。

宿、めちゃくちゃ綺麗清潔で嬉しい。トイレバスルームが部屋内共用だったけど、結局自分だけだったのでモーマンタイ。定期的に個室状態のドミトリーを引けるのは本当にラッキーだったな。

・台湾6日目にして初めて夜市へ。

適度な人の多さで過ごしやすい。地元の神社の縁日みたいだ。行ったことないけど。

 

・一通りふらふらまわり、餃子屋へ。餃子は八角が使われてないので基本美味しく食べられるのだ。

焼き餃子を頼んだつもりだったけど水餃子が来た。美味しいからいっか。

・正直この日ぐらいからもう帰りたい気持ちが強まってくる。ホームシックとかではなく、日程に余裕があるから1日の走行時間が減り、宿で手持ち無沙汰な時間が増える。ついYouTubeやreelを見てしまい、日本にいるときとやってることが変わらない。そうなると何のために来たんだ、となり、落ち込む。結局移動式の引きこもりでしかないのか。

 

・256km。

 

【台湾環島day5】烏を殺さずとも【大武~花蓮】

2024/3/3

・せっかく東側に来たし、朝日でも拝みに行くか。頑張って早起き。

ごっつい曇りです。

 

・謎モニュメント発見。

看板に書いてあった英字タイトルは”Blue Eternity”。青空の下、海を背景に見たらそう思えるかもね。知らんけど

・宿に戻って二度寝する。今日も花蓮まで200kmほど、かなり余裕がある行程なので優雅に過ごす。旅先で朝寝できるって真の幸福かもしれない。

 

・9時ごろに出発。実家ぶりの個室で十分な休息、気力で満ちている。完全体となるべく、朝飯を探す。カフェ的な店に入り、人気No.1メニューでブランチと洒落こもう。

六吋盤早午餐台東新生店

なんかすごいのが来ちゃった。

 

・朝食にしては重過ぎる。しかしよく考えたら2食分で、ランチ成分も含むんだからこれぐらいで妥当なのか。ちなみにポーチドエッグの下にはハンバーグも控えている。

 

・ベジファーストがいい、と聞いていたのでサラダから食べる。ソースが2つ、ヨーグルトとマンゴー。どちらも野菜には微妙だったけど、リンゴ×ヨーグルトソースはかなり美味しい。リンゴは嫌いよりなんだけど、新たな地平を切り開けた気がする。しっかり喉にイガイガも出たけれど。

 

・腹ごしらえも済み、さらに上を目指すために運動も心掛ける。北上し、三仙台へトレッキングしに向かう。

絵みたいな橋を越えて、奥の島を散策できる。ひと通り歩くには2時間かかるらしく、途中の灯台を目指して歩く。

 

・道中の岩に白い石でメッセージが作られていたんだけど、

 

それをひたすら壊しているおじさんがいて面白かった。

おじさん

 

・遊歩道はかなり整備されていて、老若男女問わず色んな人が訪れていた。

けど後半は波打ち際のタイドプールみたいな場所を越え、岩山みたいな場所を潜り抜ける必要がある。それが終わったと思ったら最後は

高低差30mはありそうな階段。さすがに登り切ったあとは汗が止まらなかった。

 

・小さすぎる灯台の根元で休憩した後、戻る。

駐車場帰ってきたら足プルップルで笑っちゃった。日々の積み重ねは本当に大事。

 

・この日はCOTENラジオのライト兄弟回とかを聴いてた。

youtu.be

飛行機を発明したライト兄弟をもってしてもその後の改良競争に追いつけなかった、という話は、当人たちにとっては残念な話だろうけど同時に一般モブにとっての救いの話でもあるな、と思った。ハイエナはライオンに勝てないけど、それでも生き残ることはできる、みたいな。ま、実はハイエナの方が狩りが上手い、みたいな話もあるケド。

 

・これ、Gのレコンギスタってこと?と思ってコメント欄開いたら誰もそんなこと言ってなかった。

youtu.be

他人と違う言葉を選ぶことができていますね。芯食ってないだけか。

 

・亜熱帯突入。

このへんから晴れ間が見え始めて非常に気分が良い!でも潮風で服がベタつくのは嫌!

 

・海岸線をまっすぐまっすぐ北上し、花蓮に到着。走行距離が1000kmを超え、オイル交換ランプがついたのでバイク屋を探す。

非常機車花蓮

レッドバロンみたいな所で変えてもらった。2stでもないのに1000km単位でオイル交換とはなんとも不便な気がする。メーカー推奨らしいけど、アドレスとかは6000kmごととかだしスクーター特有のなにかでもないのかな。わかんないね~

・宿に荷物を置き、シャワーを浴びて飯探しへ。昨日の反省を活かし、バイクで向かう。

陳家食堂

魯肉飯、そろそろ飽きてきた。美味しそうな見た目からの八角アタックというギャップ攻撃を毎回受けている。

・237km。

 

【台湾環島day4】一実感【台南~大武】

2024/3/2

・朝食べないと元気が出ないという身体からのフィードバックを受け、朝マックへ。どうせならと、台湾限定メニューを注文。肉は入ってなかったけど、マッシュルーム入りの炒り卵はそこそこ美味しい。


・バイクに座って食ってたら黒猫が物欲しげに寄ってきた。

猫はいいよな、吠えないし追いかけてこないし。人馴れしていそうでも、犬はやっぱり怖い。


・パンじゃなくてベーグルだからお腹いっぱいになってしまい、高雄を華麗にスルー。
そのまま最南端へ向かう。

道が走りやすく、土曜日ということもあって周りに車もバイクもたくさんで飽きない。休憩したコンビニに、環島プレートを掲げたバイクもいた。俺にはない自意識だなぁ、

 

・この日からYouTubeでダウンロードしたラジオを聴き始める。さすがに音楽一辺倒だと飽きて道中がつまらなくなっちゃうので。あまりにも日本でやってるツーリングと同じすぎないか、という葛藤はややあるけれど。

 

・最南端到着。

台南高雄でレンタルしてきたであろう観光客ライダーがめちゃ多い。

 

モニュメントはすこし味気ない。

地図を見ると思ったよりフィリピンが近くて驚く。頭の中で描く地図と事実はやっぱり全然違う。一見だなぁ。見えないけど。

 

・見るものは見たので、東側を北上していく。

台湾の南端の尖っているところの景色、先駆者は北海道的景色、と評していたけれど、個人的には青森西側、秋田沿岸を想起した。起伏がそこそこあって人の気配がほとんどないあたりは本当にそっくりだ。

いいね~


・いったん山に入り、再び海側へ。

ここはやや大分みもある。

 

・目的地は大武で、そこまで距離もないのでコンビニで大休憩。

日本のラーメンうますぎる。今日はチートデイと決めた。台湾飯を一切食わない日もあっていい。

・道中に聴いてた、ゆる言語学ラジオの広告コピーの回、よかった。

youtu.be

インターネットや新聞は読ませるものだからキャッチコピーが長くてもよくなってる、というのは確かに、という感じ。個人的には、短くバシッと言うのが好きだから、長いやつには、あえてのダサさ、みたいなのを勝手に見出して鼻につくねぇ、と少し思っている。


・就活の時、大衆に訴求する、というのがダサい、とか、仕事でSNSのトレンド追うの嫌すぎる、と思って広告は考えなかったけど、構造を体系化したら案外そうでもないのかもしれない、と思った。大衆、とは言うけど人類全体ではないし、その限られたターゲットに向かって(こいつらにこれやったらガッチリ嵌るやろなぁ……)と考えて仕事をするのは、一歩引いた視線で見れるというか、俯瞰できている感じは好きだ。

 

・広告もつまりは人にウケるということで、やっぱり面白いと思われたくて生きてるみたいなスケベ心はあるしな。SNSのトレンド追うのも、Twitter見るの好きだし。(今はやってないけど)実は適職なのでは?考えが浅かったね~

 

・宿に到着。

 

2人部屋に案内される。

結局この日は俺ともう一組しかいなかったのでよかったけど、他人とこの部屋は少し抵抗あるな。土日なのに二組しか宿泊者がいないのも心配ではあるが。

 

・結局個室だったので、かなりリラックスできた。晩飯を探しに少し街を歩く。

これは地元の寺院

目当てのお店が臨時休業していて、むなしく帰る。小さな町で、街灯もあまりない。犬の遠吠えも聞こえてくる。これ今野犬に襲われたら一巻の終わりでは?緊張走る。怖すぎて、宿まで走って帰った。せっかくシャワー浴びたのに。

 

・田舎の夜歩きはやめよう。せめてバイクで。

怒りのカツ丼とアルコール。明日もゆっくりなので、何の気兼ねもなく。

 

・243km。

 

【台湾環島day3】ありのままで戦っていくこと【埔里~台南】

2024/3/1

・起きる。昨日に比べて朝のテンション上がりが違う。当たり前ではあるけど、やっぱり衣食住は重要だな~。何回旅行してもこれに新鮮に気付ける己の単純さにのびしろを感じる。


・フロントのお兄さんに教えてもらったオススメ観光地をなぞっていく。まずは台湾三大観光地の一つ、日月潭



 

・きれいですね~

 

・四国のカルデラしかり、亀岡の雲海しかり、俺×バイク×高地の相性はかなり悪い。早朝なのもあるけど、基本悪天候で一面の霧がおなじみになってきた。まあ晴れてても写真撮るだけやし流してこ!

 

・霧による衣服の濡れがシャレならんので、コンビニ休憩のついでにカッパを着る。レンタルバイクのおじさんが厚意でポンチョを貸してくれたので、日本からわざわざ持ってくる必要はなかった。スクーターだから上下セパレート型じゃなくても十分。高地ゆえの寒さで、極暖とウルトラライトダウンも着る。

 

・雨と霧に耐えながら21号線をひた走り、阿里山へ向かう。道中で台湾最高峰3952m、玉山を見渡せる地点へ。

真珠湾攻撃の暗号、ニイタカヤマノボレ一二〇八、のニイタカヤマ。日本統治下においては日本一の高さだったことをうまく弄れば、弱めのうんちくエウレーカクイズとして戦えそうではある。

・このあたりから阿里山に向けてとんでもないワインディングが続く。

ことワインディングに関しては軽さが大正義なことを実感する。ほんとにヒラヒラ寝ていくし、タイトなカーブも簡単に抜けていく。立ち上がりのパワーと、二―グリップできない不安感さえなければ、そう思うと最適解はやはりモタードなのか。


・どんどん標高も上がっていき、霧の中を走っているかと思ったらあんまり濡れず、実は雲だったことに気づく。やがて雲間を抜け、視界が開ける。

こんなところまで登ってきたのか。道を拓いた先人が偉大過ぎる。雲上のワインディングを走る機会なんて日本じゃそうそうない。ここまで目を三角にして走ってきたが、角を落とし、景色を眺めながらゆったり流す。右側通行だから、すぐそばに崖があってちょっと怖い。

 

・気持ちに余裕ができ、ふとメーターを見るとガソリン残量があと1メモリ。阿里山にガソスタがあることは調べていたが、果たして保つのか不安になる。

まあ普通に間に合った。ついでにコーヒーも買ってしっかり休憩する。どうも航続距離が短い気がして調べると、燃費がリッター30ちょい、タンク4.5Lで150ギリ走らない計算になる。シティコミューターにしても少ない。どうりで1日2,3回も給油するわけだ。


・休憩終えて、今度はひたすら下る。台湾西側に通じる道なので、交通量が多い。

こんな道を下る

対向車線を10台に1台くらいの割合で観光バスが、グニャグニャの道路を登ってくる。凄いスキルだ。そして在野の台湾人の運転も、かなり野性味がある。遅い車や観光バスがいればビタビタに詰め、見通しが良くなくてもガンガン抜いていく。行楽地特有の大車列があまり見られないという点では、いくらか健全なのかもしれない。

 

・お腹が空いたのでコンビニで飯休憩。

阿Q正伝ってカスの話なのにカップラーメンでもじるんだ、と思ったけど、味がカスだったから納得です。

 

・今日の主要目的地の一つ、関子嶺温泉。

こじんまりとした温泉街。世界三大泥温泉のひとつで、霧島とシチリア島とここしかないとか。言い出したもん勝ちな気もするけど。

その中でも日帰り入浴ができる関子嶺温泉ホテルへ。

 

・大浴場ではなく、それぞれの部屋の風呂に入る感じ。

奥が浴槽。ややHな雰囲気を感じるのは私だけ?


・台湾、ユニットバスなんだけどあまりにも境界線がなさすぎる。

ここはシャワーなかったけど、あるところは湯船の上でなく便座と床を共有する形で使うので、衛生観念的になんだかなぁ、とは少し思う。

 

・自分でお湯を貯めるスタイル。

やや泥。ガソリンっぽい匂いもする。手を入れてみたらすぐ感じられるほどヌルヌル指数は高い。前述の通りシャワーがないので頭をつけるか躊躇ったが、シャンプーもあったしせっかくなのでトライ。泥と言えど砂が残る感じもなく、久しぶりの湯船は気持ちよかった。

 

・建物は増築に増築を重ねたのか、奥に進むと迷路のような構造になっている。食堂らしき場所もあった。

 

・増築に増築を重ねたパッチワークみたいな家特有の良さがある。日本だと古い大病院とかでたまに見かける。歴史を感じる、迷路みたいで面白い、というのもあるけど、一番は必要故に複雑になっていく、というところだろうか。俺の部屋のように漫然と何もしていない結果雑然となっていくのではなく、折々に必要に駆られて部屋を増やし廊下を繋げ、階段を設置して空間を広げる。コスト、費用、事業継続性などから建て替えるわけではなく、過去に今を付け足して未来にしていく。建物が生きている感じがしてとっても良いし、そこに住む住人はその建物を使いこなしているわけで、熟練職人の七つ道具的な機能美も感じられる。

 

・↑書いてて思ったけど、ややエモ消費してるかもしれない。学校の宿題で感想文を書くような、わざと良さを感じにいっているというか。自分のために書いてる文章で誇張する必要はない。ありのままで戦っていきたい。せめて自覚はするんだ。

 

・山を下りて市街地を突っ切り、海へ。


やってきたのは台湾最西端。

風がありえないくらい強い。しっかり砂紋ができている。荒れた海に乾いた大地、曇天に加えて自然に帰りつつあるトラクターもいて、やや世紀末っぽくもある。


・最後はちょろっと走って台南の宿にチェックイン。洗濯してる間に飯を探す。

アジアンテイストばっかり食ったあとのハンバーガー最高すぎる……。店員さんも良い人でサービスも良いし、食事体験としてよかった。

 

・宿に戻って休憩なり色々したあと、21時ごろに再び町へ繰り出す。神農街という映えスポットがあったので、散歩する。

時間が遅いのもあったか店は閉まりかけが多かったけど、普通にオシャレな通り。

 

・台南の街は、日本式居酒屋みたいな場所も多く、それでいて台北ほど観光客は多くないから過ごしやすいと思う。にしても地元民の気配もあまり感じない。昼間人口が多いのか、朝は外食でも夜は家族そろって飯を食うのか。

 

・屋台的なところでチキンを買い、ファミマで買った台湾オリジナルビールを飲みながら歩く。第四の都市だからやはり人は少ないのか。でも人口は188万人いるらしい。多くない?でも札幌と同規模、と言われたら納得感はある。スーツ姿のサラリーマンとかはどこにいるんだろう。不思議だなぁ、なんて思いながら歩いてたら、前方から救急車がサイレンと共に去っていった。そのあたりを見ると、血のついたサンダルと包帯、血痕が路上に散らばっていた。やることはやってるらしい。

・291km。結局この日が最長になる。



【台湾環島day2】これなるは勇気の物語【台北~埔里】

2024/2/29

・起きる。ややのしんどさ。人の多さと街のにぎやかさにやられた。早く郊外へ逃げたい。

レンタルバイク屋へ。店員と話すうちに幾分か気持ちが盛り返してくる。高揚感と、日本と同じバイク屋の香りで体調が整ってきたのか。

 

・事前に決めていたアクシズZは整備してなかったらしく、代わりにKIMCOが提案された。本来700NT/dayだけどアクシズと同じ600にしてくれると。

GP125。125のスクーターなんかどれも同じでしょ、と思い快諾。スマホホルダーをつけてもらい、USB電源は+100と言われたので無し。モバイルバッテリー2つあるしまあ……の構え(実際余裕だった。でも音楽用とナビ用でスマホ2つ持って行っていたので、1つならワンチャン……?)

 

・店員から説明を受ける。右側通行、二段階左折、オービスなどなど。

あとヘルメットは持ってきて正解。貸出はカスみたいなのしかない。

 

・支払う段階で現金が足りないことに気づき銀行へ走るなどした後、出発。先払いで、結局1日早く返却したんだけど返金はなかったのでご利用は計画的に。キャッシュオンリーです。

右側通行に違和感を覚えながら取りあえず1kmほど走る。ミラーマウントのせいかスマホに伝わる震動がすごく、手振れ補正に危機感を覚える。それ以外は至って好調で、日本の原付に毛が生えた程度かと思っていたら加速が非常に素早く、おまけに軽いので、0-60ならSVよりも早いんじゃないだろうか。知らんバイクの乗り始めはいつも楽しい。

・そしてやはりバイクはいい。ウバで鍛えたすり抜け力を活かし走る台北の町中なんてのは、もはやアトラクションみたいなもの。専用の通行レーンも二輪四輪お互いにとってメリットしかない。大阪の街中よりよっぽど走りやすいと思われる。

 

・ふんふん走ってたら、野犬に追いかけられた。怖すぎる。誰だよ東京と同じくらいの発展度合いって言った奴。ちょうど市街地を抜けて海へ続く山道に差し掛かろうか、というタイミングで道を間違え、私有地的なところに入ってしまった。Uターンして戻ろうと思ったら、後ろから超吠えながら走ってくる野犬。しかも3匹。本当に生きた心地がしなかった。幸いこちらにはエンジンがあったから事なきを得たけど、自転車だったらどうするんだろう。

私有地なら番犬じゃないの、というのも確かにあるが、実際このあとも通算3回はマジの野犬に吠えられ、追い回されている。嫌な海外あるあるに捕まってしまった。

 

・命からがら海岸線にたどり着き、南下する。この100kmは失敗だった。

最初の方こそ海が見える気持ちの良い道だったが、途中から高速の高架下を走るようになり、海は見えず道は単純、そのくせ信号は多い最悪の道だった。



・さらにさらに不快なことに、台湾にはオービスが多すぎる!!!!!

これね

引用:http://higashi2005.dreamlog.jp/archives/52193589.html

 

・これが冗談抜きで無限にある。体感値として2kmに1つはある。しかも結構シビアで、±11kmから光るらしく速度管理にかなり気を遣う。地元民の走りを見るに結構フェイクもありそうで、それもムカつく。主要道路だけでなくかなり隅々まで張り巡らされていて、山あいの対向車線もないような道路で30制限で撮ってるのを見たときはもはや笑っちゃった。

 

村上春樹はランニング中空白を獲得してる、って言ってたけど、バイクも実際なにか考えてるわけではない、気がする。少なくとも自分の場合は音楽をガンガンにかけているので、綺麗だなぁ、ここ右折ね、うおあぶねっ、ぐらいの浅いことしか考えられない。

 

・そして風景をじっくり見れるわけでもない。大前提よそ見してたら危ないし、スピードがあるので背景でしかなくなってしまう。ランニングと違って自分を痛めつけているわけでもないから、ぼーっと走っていると景色も考え事もすべて後ろに流れていってしまう。そう思うと、ランニングはなんか、周囲を大事にできているような気がして羨ましくなる。

 

・そんなこんなで精神的にも疲れたので、新竹まで走ってコンビニ休憩。よくわからんチキンのホットスナックを食べる。

 

・コンビニで見かけたバイク。

ドカとトラ。このあとも走ってて思うのは、結構二極化してるなあ、ということ。基本スクーターで、たまに大型欧州車。レブルやニンジャやYZFなんかの日本のファーストバイク系はほとんど見かけなかった。たまにYZFのR15がいるから、そもそも企業戦略から違うのかもしれんな。

 

・そんで台湾ライダー、めっちゃ速い。新竹から海沿いを離れて山道に入ったんだけど、これがもう素晴らしいワインディングで、身近にこんな道あったら上手なるわな、という納得がある。箕面の滝までの道がずっと続くと思ってくれていい。

あらぎ島みたい

箕面をコソコソ走るぐらいなら金貯めて台湾来た方が良いと思うよ。オービスだけはマジでダルいけど。

 

斜面にヤシの木っぽいのがずらっと生えてて面白い


・コンビニで休憩を入れつつ走って、埔里(プーリー)に到着。

フロントの人がめちゃ親切で、周辺の飯屋から明日の行くべきスポットまで色々教えてくれた。ホーネット900とまた古いバイクに乗ってるらしい。

共用スペースも居心地いい


・ちょっと行ったところにあるセブンイレブン周辺の店はどこも美味しいよ、とのことだったので夜市を無視して見て回る。疲れてたしチェーンかコンビニで分かり切ったもの食いたい気持ちはあったけど、ぐっと堪えて地元のお店へ。

異国で牡蠣オムレツを食うという”勇気”。牡蠣がたくさん入っていて、ちょっと甘いソースがかかっている。正露丸なんて持ってきてないから当たったら完全に詰むけど、こういうのに挑戦してこその旅だよな、と奮起。牡蠣はそんなに得意じゃないんだけど、勇気パワーもあってとても美味しく食べられた。65NT

・結構大きめのオムレツだったけど、まだ腹に余力があったのでもう一軒行ってみる。

你我他晩点。例によって店の前でウロウロしていると、日本語で話しかけてくれた店員さんがいた。うちの臭豆腐は臭くないのよ~、とのことだったので臭豆腐と焼きそばみたいなのを注文。実際あの発酵臭は全くなく、そのかわり山のようにニンニクが盛られていた。臭ってそういう……

 

・言っても揚げ豆腐、3つはかなり苦しい。焼きそばみたいなやつは満腹のせいで100では味わえなかったけど、それでも美味しかった。

 

・そして結局、お腹はやや壊しました。牡蠣だともっとえげつないだろうし、多分多量のニンニクでしょう。蛮勇じゃなくてよかった……

覚悟はした。

 

・フロントのおじさんに南部は現金大事だよ、と言われたので残金を確認する。1500NT。ほぼ7000円、やや心許ない。レンタルバイクがオンリーキャッシュなの痛かったな、まあキャッシング?っていうのがあるから余裕っしょ、と思い調べると、なんと手持ちのクレジットは全滅。今申し込みしても2週間かかるんじゃ意味ないんだよな。心拍数が上がり始める。これひょっとするとひょっとするか?一応緊急用の日本円10000はあるけど1週間は保たないぞこれ。あ、でも海外でもセブンのATMあるから引き出しはできんじゃん。なーんだ。

 

・海外行くからボロ財布にして、要らなそうなカード全部置いてきたんだった。クレジットは4枚もあるのにキャッシュ0。万事休すか。国際送金かアメリカの銀行の口座開設するしかないってこれマジ?

・と思ったら。作って良かったOlive。キャッシュ・デビット・クレジット一体型のカードのおかげで危機を回避しました。あせったー。ちょうど1ヶ月程前に友人といっしょに申し込んだやつがここで効いてくるとは。ありがとう友人。君には臭豆腐をお土産に……

 

・ちなみにこのMVP友人、ちょうどマルタに語学留学中で、俺が台湾で牡蠣食ったのに触発されてマルタの牡蠣を食ったそうです。そしたら上から下から大洪水なんだとか。ムチャシヤガッテ

 

・あ、卒業が確定しました。深夜2時まで大学のサーバーと戦い続け、真っ赤な目で確認しました。絶対許さねぇ……

230km



 

【台湾環島day1】安易なマクドへNO【関空~台北】

2024/2/28

・台湾初日。気合の4時半起床で関空へ。出発1時間前に到着したらピーチは第2ターミナルという罠にかかり、搭乗締切時間をぶっちぎる。そもそも飛行機って出発2時間前には着いとくのが基本らしいですね。自動チェックイン機で「搭乗できません」の文字列が出たときには頭が真っ白になったけど、なんとか定刻1分前に滑り込んだ。案外こういうのって日本の会社が優しくて海外系は容赦ないイメージがある。今回はその優しさにお世話になりました……

吉兆の予感……(ブロッケン現象っていう名前らしい)



・ギリギリのチェックインなのでここしか残ってないです、と言われたんだけど、最前列って人気ないのだろうか。

足自由に伸ばせるからいいと思うんだけど。CAさんと対面で座ることになるから恥ずかしいぐらい。事故の時の生存率が低かったりするのかな。



・到着。SIMと保険の開始日を1日間違うポカをやらかし、急遽SIMを買う。保険は海外着いたらもう入れないらしいので、初日から無保険スタート。幸いバイクレンタルは2日目からなのでギリ耐えだけど、全体的に幸先が悪い。とりあえずMRTで台北へ。


・宿に荷物を預け、先人のブログで見かけた水餃子の店へ。

牛肉麺はまあアジアの麺だなー、という感じ。水餃子はめちゃウマだったけど、タレがセルフサービスで5種類くらいあって結局どれが正解なのかはわからなかった。

台北駅周辺を歩く。日本人がいないなんばみたいな印象。多様な店があり、観光客もたくさんで、路地はちょっと汚い。結局人口が集まって発展する場は似通うのか?ただ、なんばと明確に違うのは臭さ。東南アジア行った時も思ったけど、明確に下水が臭い。グレーチングの上を歩くと下からプンと臭ってくる。改めて日本の清潔さというか、見えないようにしてくれてるんだな、というのを実感する。


・そして食べ物系の屋台が多いんだけど、明確に俺が苦手な調味料を扱ってる屋台がある。嗅覚に自信はないけど、たぶん八角。これは中華圏を旅行するのに致命的で、この旅行の後半は餃子しか食えなくなっていく。


・見てる感じ、聞いてたよりも交通マナーは良い。実際後日走ってみてもそれは思う。ベトナムだと信号は目安だし、スピードは出せるだけ出すのが流儀、道路は走りたいところを走るもの、みたいな感じだったけど、台湾は全然マシ。信号は守るしヘルメットもしっかりつける。速度も出す人はめっちゃ出すぐらい。
実際台湾はGDPでいえば車社会に移行している国だから、それにあわせて交通法規遵守レベルも上がっているのだろう。そしてバイク専用の走行レーンがあるし、街中でも合法の駐輪スペースが∞だし、バイクの基本的人権が手厚く保障されている。二段階左折だけちょっと面倒だけど。

・英語問題。TOEIC750点なりの読み書きはできるけど、いざ話すとなると状況ごとに何喋ったらいいか全くわからんという意味で英会話の必要性を感じる。店に入って店員に中国語で捲し立てられ、なんとレスポンスしたらいいかわからず愛想笑いで立ってると向こうが察して英語や日本語で話しかけてくれる、というのが多発してやや辛い。言語レベルじゃなくてシンプルにコミュニケーションレベルが低いだけの可能性もある。


・北門西門周辺を歩き、カフェを探すもどこも空いてなく、台北地下街を練り歩く。なんか疲れる。街歩きが好きなふりしてたけど実はそんななのかもな、と少し落ち込む。結局なんのために旅行してるのか自覚しておく必要があって、今回の目的は景色、海外ツーリングの慣らし、一人海外という自己の拡張であって、本筋と離れた部分でそこまで真剣にならなくてもいいのだ、と言い聞かせる。音楽を聴いてテンションを取り戻す。SEEDDESTINYのミーアが歌うEMOTIONが最近のヘビロテ。作中の謎ダンスを小さく真似る。


・宿に戻る。シャワーを浴び、宿の共用スペースで村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』を読む。


妙に捗る。旅先でテンション上がってるからなのか、せっかく旅行に来たのに、という一般的概念に逆張りする喜びもあるのか。もしくは朝からドタバタしっぱなしで、台湾に着いても目新しいものに触れ続けて、知らず知らず張ってた緊張からの解放もあるかもしれない。

 

・そしてめっちゃ面白かった。ラオスに一体〜もそうだけど、村上春樹のエッセイはめちゃくちゃ読みやすく、ページを繰る手が止まりにくい。描写が丁寧でしっかり全部、細部まで書いてくれるから、当人の感情や展開が追いやすい。


・冒頭に出てきたランナーのマントラで「Pain is inevitable. Suffering is optional.」というのがある。昔高校の部活の友人が言っていた、暑い寒いって感情やから、というのに通じる気がする。当時は何言ってんのコイツとしか思えなかったけど。


・ひとつの風景の中に他人と違った様相を感じ取り、他人と違うことを感じ、他人と違う言葉を選ぶことができる、だからこそ固有の物語を書き続けることができる、という文章、これこれこれ~~~!!!となった。文章で生計を立てたい、という夢を捨てきれない自分に、こうすればなれるんだよ、と示してくれる光のような言葉。でも同時に達人の呼吸というか、短くまとまったシンプルな言葉だからこそ彼我の距離を思い知らされるというか。道遠からんだわ。

 

・読み終わって、晩飯を食べに出かける。

北北車魯肉飯

あんまりお腹空いてなかったので魯肉飯だけ。美味しいけど、やはり八角の味が気になる。安易なマクドを選ばないあたり、本気度が伝わってきますね。

・今回から新しく折りたたみキーボードを買って、旅先でメモを残すようにしている。スマホに直接打ち込むよりも速いし、いつもより気持ちたくさん言葉が出てくる気がする。実際帰ってきてからだと色々忘れるから、リアルタイムで残せるのはかなりいいと思います。

 

・あとこれは嫌いな甘さでした。